【社会】斎藤元彦知事 “職員との信頼関係”構築を宣言も…県職員が明かした「本音」
【社会】斎藤元彦知事 “職員との信頼関係”構築を宣言も…県職員が明かした「本音」
配信元:令和の社会・ニュース発信所
「中堅や若手職員のみなさまと対話の場を充実させ、風通しの良い職場作りを進めていきたいと思います」
1月6日、こう語ったのは兵庫県の斎藤元彦知事(47)。幹部職員らへの年頭のあいさつで、今後も県政を前に進めていくとして、大切なのはコミュニケーションだとした。
‘24年3月に県の元幹部職員である男性によって告発された、斎藤氏によるパワーハラスメントなどの疑惑。百条委員会が実施した県職員を対象とするアンケートでは、斎藤氏のパワハラを見聞きしたことがあるとの回答が職員全体の約42%に上った。
その後、9月に県議会で不信任決議が可決され失職するも、11月に行われた出直し選挙では110万票以上を獲得し返り咲くことに。しかし、依然としてパワハラなどの疑惑自体は残ったまま。11月19日に行われた就任会見でパワハラがあったのかどうかついて問われると、「私自身は確かに一部不適切な行為をしたという事はありますけども、あくまでも良い業務、県政をしていきたいという中で業務上の指導や色んな注意を厳しくさせて頂いたということはあると思う」と語っていた。
さらに、就任から約1カ月後、12月18日の定例記者会見では、「今年の漢字」に「結」を選んだと発表。「県政を前に進めるにあたり、県議会、市町、県職員、県民と信頼関係を結んでいくことが何よりも大事。そしてこれまでの様々な取り組みが更に実を結んでいくことも大事だ」と職員との信頼関係を結んでいきたいとの思いを明かしていた。
再就任から2カ月となるが、現場の職員はどのような思いを抱いているのか。12月下旬、県職員に話を聞いた。まず、40代男性の県職員は、就任後、知事が以前と変わったとは感じていないと明かす。
「斎藤知事は、記者会見でも『職員との信頼関係を結びたい』とおっしゃっていますが、目に見える形で何か変わったか、と聞かれたら何も変わってないですね。本人がやる気になれば、もっとスピード感を持ってできることはあるのに、と思いますが……」
また、12月25日に開かれた百条委員会の証人尋問で、告発者の男性を公益通報の保護対象とせず、調査結果を待たずに停職3カ月の懲戒処分とした初動対応について、斎藤知事は「適切だった」と主張。しかしこの対応についても、実際に働く職員としては不安を感じるという。中堅の男性県職員は次のように胸の内を明かした。
「証人尋問で斎藤知事は、『初動対応に問題はなかった』と、再選前と同じことを繰り返しているだけ。これによって職員が亡くなっているわけですから、対応のまずさを認めて謝罪してほしいと思っている職員は多いんじゃないかと思います」
再選挙後の本誌の取材では、“知事が誰であっても仕事に影響はない”と語る職員もいたものの、一部には斎藤知事の変化を期待する職員もいるようだ。年始の目標通り、風通しのよい職場を作れるだろうか。